2012年2月21日火曜日

ニジマスの薫製作り

 先日アイスフィッシングで持ち帰ったトラウトを薫製に仕上げました。
塩焼きやムニエルも良いですが、手間ひまかけてじっくり燻した
薫製は格別な味わいがあります。

薫製には冷薫、温薫、熱薫の三種類があります。
釣ったマス類を薫製にする場合、摂氏30〜70度くらで6時間前後 の
薫煙がけが一般的です。
それでも燻煙がけの前に塩漬けや塩抜き、風干の行程をするので
かなり時間のかかるものです。
 魚を釣った当日からは時間が無いと薫製作りは出来ないので、
一度エラと内蔵を取り除き、ウロコも取り除いた状態で冷凍しました。
そして冷蔵庫でゆっくり解凍して、燻煙する日(休みの日)から
逆算して塩漬けを行います。
自分の場合は土曜日の朝から燻煙作業を行いたいので、
金曜日の朝に塩漬けを行います。

塩漬けは一般的にソミュール液という塩分のきいた液体につけ込みますが
塩(天然塩)と三温糖、そして各種スパイスを入れた液体を作ります。
ここは北米なので北米式に水1リットルに対して、
普通の塩150g、ブラウンシュガー50g、蜂蜜かメープルシロップを30gを
入れて沸騰させて溶かします。
そしてすり潰した胡椒、コリアンダーシード、オレガノ、タイムなどの
スパイスやハーブを入れます。
ボクはマス類には欠かせないディルも入れます。
  全てのマスがソミュール液に浸かるようにして10〜16時間くらい
漬け込むのですが、少ない量で効果的に漬け込むのなら
ジップロックに魚と液体を入れてなるべく空気を追い出して
漬け込みます。この場合マス5匹に対して500ccの液体で足りました。
 金曜日の夜には12時間以上経ったマスを取り出します。
流水で塩分を適度に抜いていきます。
塩分濃度と魚のサイズによって塩抜き時間は様々ですが、
最低でも1時間以上は塩抜きしないと塩辛くなります。
でも塩を抜きすぎるとなんとも味気ないものになるので、
この辺は何回も薫製作りをして感覚を掴んでいくのが良いと思います。
 金曜日の夜、寝る前に塩抜きしたマスを乾かす行程に入ります。
外気温がマイナス5度で外でマスを吊るすと凍ってしまうので、
冷蔵庫で乾燥させる事にします。
この際、余計な水分はペーパータオルで拭いて、腹の中も乾燥しやすい
ように爪楊枝で空間を作るようにします。
時間的には屋外か冷蔵庫かで変わってくるのですが、表面が乾いたら
燻煙がけが出来る状態だと思ってください。
一晩経って冷蔵庫のマスを見てみると網と設置している部分とかが
まだ湿り気を帯びていたので、屋外に吊るして一時間でだけ
風干させる事にしました(それ以上すると凍ってしまう)
さて今回の主役はLittle Chiefのエレクトリックスモーカーです。
かなり昔のもので現在のはフロントローディング式になっていて
スモーカーの全面が開閉できるようになり天ふた式と違い
便利なようです。
 そして燻煙がけに使うウッドチップは桜とメスケートです。
メスケートはマメ科の植物らしく、以前に枝豆の皮を入れて薫製を
作ると美味しくなるときいた事があって、メスケートも少しだけ
使います。少し香りがキツいので桜とあわせて使うのが効果的だと
自分では思ってます。
燻煙がけは朝の10時から行いましたが、ご覧のように0度です。
この状態からスモーカー下部の電熱器に電源を入れても
なかなかスモーカー内部が暖まりません。
しかし燻煙がけの基本は最初は低温で燻煙し、その後時間とともに
だんだん温度をあげていくのが基本です。
最初の1~2時間くらいはこ30〜40度の範囲で燻煙します。
外気温が高いとスモーカー内部はもっと高い温度になるので
その場合は電熱器の電源を切って対処します。
電源を切ってもくすぶったウッドチップは煙を出します。
外気温が低い場合、いくら燻煙がけを続けてもスモーカー内部が
熱くなってきません。この場合、北米の一般常識(?)の
毛布等でスモーカーを包むという方法です。
こうする事によって燻煙がけ開始から3~5時間目あたりを
スモーカー内部温度を40〜50度くらいにできます。
微妙な調整は毛布の包み具合(半分だけ被せるとか)で調節します。
内部のマスの色具合を見ながら後もう少しかな?という頃の
ラスト一時間はスモーカー内部の温度をさらに上げます。
60~70度くらいにするのですが、これも外気温が低いと毛布だけでも
この温度まで上がりません。
なので熱源強化の意味を込めて炭をおこしてこれをウッドチップの
入ったフライパンに一緒に入れます。
炭の入れ具合等この辺はかなり調節が必要になりますので 、
ラスト一時間はスモーカーのそばに付いて常に温度確認したほうが
良いと思います。
そうやって出来たマスをスモーカーから取り出して吊るします。
燻煙がけが終わった時点でもう食べれるのですが、
半日から一日置いたほうが落ち着いたスモークの香りに変わり
美味しくなります。
屋外で吊るしたり室内の比較的涼しい所で半日くらい放置すると
良いでしょう。

薫製作りは手間がかかるのでマスを薫製にするのも一度に
10尾くらいやりたいものです。
しかしストックウォーターでのトラウトフィッシングのリミットが
5尾なので、次回は複数日で釣行して10尾くらいストックしてから
薫製を作ろうかと思います。

ただ温薫によってできたマスの薫製は冷蔵庫保存で1週間くらいが
美味しく食べれる 限界なので、そんなに一度に薫製を作っても
しょうがないのかもしれません。



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